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千葉県市川市

配置変えず機能向上/再整備基本計画案を公表/市川市 国府台公園

2018/08/22 日刊建設タイムズ

 市川市はこのほど、国府台公園(スポーツセンター)の再整備基本計画(案)を公表した。公園内施設の老朽化や、広場・緑地といった都市公園としてのオープンスペースの確保が課題になっている中で、2017年度の都市公園法改正で公園内に設ける運動施設の割合が緩和できたこと、千葉商科大学との土地交換で敷地面積の拡大や形状整理が可能となるなど再整備を推進する環境が整ったことから、都市公園及びスポーツ施設としての機能向上につながる再整備基本計画(案)をまとめた。今月26日には、同公園内の市民体育館柔道場で説明会を開催する。

 国府台公園(スポーツセンター)の所在地は、国府台1-6-4。1956年に面積7・3haで都市計画決定したが、野球場と陸上競技場はそれ以前の50年と53年に竣工。また、市民体育館(第一、第二)は73年に竣工している。

 市は昨年度、再整備基本設計をアスコ大東(大阪府大阪市中央区南本町3-6-14)へ委託し、今年12月28日を履行期限として作業を進めており、再整備基本計画(案)はそのベースとなる。説明会の開催とともに、来月16日まで意見を募集しており、今後の基本設計に反映させる。

 再整備基本計画(案)では、公園やスポーツセンターを長期間閉鎖しない、これまでの改修実績を生かすなどを前提に、野球場、陸上競技場、体育館、北側児童公園の位置を変更せず、劣化状況及び利用状況を踏まえて段階的に整備工事を実施することなどを基本方針としている。

 ゾーニングは8つに区分し、運動施設は野球場ゾーン、陸上競技場ゾーン、市民体育館ゾーン、その他スポーツゾーンに、公園機能は緑地・休憩ゾーン、中央広場ゾーン、児童公園・広場ゾーン、駐車場ゾーンにそれぞれ配置。また、カフェ等の憩いの空間を新規機能として整備する。


ゾーン別再整備計画案

 

 【野球場ゾーン】

 ▽整備方針=既存施設を基本とし、老朽化したバックスタンドを改修。併せてスタンド内に更衣室・トイレ等の導入を新たに検討。冬季でも利用できるよう人工芝化、夜間照明施設などを整備。野球場の周りに周回できるジョギング・ウォーキングコースを整備

 ▽整備内容=野球場1面、スコアボード(電子式)、観客席、人工芝、夜間照明設備、バックスタンド(本部席、ダッグアウト、更衣室、トイレ、倉庫)、バリアフリー化

 【陸上競技場ゾーン】

 ▽整備方針=既存施設を基本とし、老朽化した管理棟、スタンド、照明設備を改修。バリアフリー化を図るものとし、管理用車両や緊急車両が進入可能な車路を設ける。管理棟・バックスタンドは、事務所、スタンド下部本部席への接続に配慮し、改修整備を行う。走路出入口は、現在の位置を変更し、北側園路に直接接続するとともに、管理用車両や緊急車両が進入できるようにする

 ▽整備内容=直線7レーン、曲線6コース、1周400mトラック(日本陸連4種公認維持)、観客席1300席、夜間照明、管理棟(事務所、スタンド下部本部席へ接続)、幅跳び、砲丸投げ、トラック競技等でも使用可、サッカー・ラグビーも可

 【市民体育館ゾーン】

 ▽整備方針=現在の建物を基本として、長寿命化のための施設改修に併せ、バリアフリー化や防災機能の充実等、将来的な機能見直しの検討を行う

 ▽整備内容=基本構想として、将来的なあり方を検討する

 【その他スポーツゾーン】

 ▽整備方針=近隣住民の利用を考慮して、東南部のテニスコート2面を改修する。砂入り人工芝のコートとする

 ▽整備内容=テニスコート(砂入り人工芝)2面を整備。軽い運動やウォーミングアップ、フットサル、グラウンドゴルフなど様々な活用ができる多目的スペースを整備

 【緑地・休憩ゾーン】

 ▽整備方針=可能な箇所はできるだけ緑地とし、パーゴラやベンチなど休憩機能の充実を図る。北東側児童公園は、現在の機能を継続する

 ▽整備内容=公園を訪れた人の交流・憩いの場となる機能を整備。芝生や植栽を充実。公園南側の桜並木は計画的に補植する

 【中央広場ゾーン】

 ▽整備方針=運動施設に囲まれた公園の中心部を中央広場として位置づけ、既存の樹木等を生かしながら、印象的なオープンスペースを形成。市民体育館、野球場、陸上競技場へのアクセス動線や自動車の乗降機能にも配慮しながら、ゆとりある空間とする

 ▽整備内容=中央広場として、イベントでの活用や交流・憩いの場となるオープンスペースを整備。臨時駐車場として利用できる多目的広場を整備。各施設へアクセスする園路を整備

 【児童公園・広場ゾーン】

 ▽整備方針=運動施設とせずに、公園利用者の散策・休憩あるいは軽い運動等のための空間として整備。北東側児童公園は、現在の機能を継続する

 ▽整備内容=子どもの遊びスペースなど、様々な用途に活用できるオープンスペース(多目的広場)を整備。北東側児童公園とつながりを持った空間として整備する

 【駐車場ゾーン】

 ▽既存の常設駐車場(135台)は、継続して駐車場として用いる。大会開催時等は現状の常設駐車場のみでは不足するため、多目的広場兼用の臨時駐車場を整備する

 ▽整備内容=既存の駐車場を活用する

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